津田貴司『湿度計』

タイトルにある津田さんのCDがとても良く、音楽的な新しい発見があったので記載しとこうと思います。

 
ジャンルとしてはアンビエント環境音楽)です。
水をテーマにしており、リズムが極めて曖昧かつリバース音を利用した絶妙な浮遊感のある曲など、極上のサウンドスケープを体験できます。
 
 
作曲者の津田さんは音楽家兼美術家ということで、曲もかなりアート寄りに感じます。
というか、『曲』というより『音』なんですよね。
生演奏もライブではなくサウンドインスタレーションと呼び、
『湿度計』もインスタレーションからCD化していったということで、
流れから考えても『良い曲』というより『良い音』を目指して生まれたであろうことが想像できます。
 
ここまで書いたことはエレクトロ、アンビエント系ではよくあることなので特別なことはないのですが
 
感動したのはこのCDを聴きながら外を歩いていたときです。
「なんじゃこりゃああ」となりました。
 
学校帰りの小学生がワイワイしながら側を通過していきました。
その瞬間、津田さんの音の中に子供達の声が吸収され、音楽がまた違う表情を見せたんです。
それだけで美味しい塩ラーメンに柚子胡椒を少し加えて違いを楽しむみたいな。
それに気づいた後、車や電車の音などの現在進行形で発生し続けている音がどんどん音楽に混ざり、良い意味で複雑になっていき、周りが静かになると同時に津田さんの洗練された音だけに包まれる瞬間が来る。
それがものすごい精度で実現されていて、この体験に僕はものすごく感動したんですね。
なんか外を歩くことで曲が完成されるみたい。

 
僕も色々作曲してきましたが、基本的にはその曲の中で完成させることを目標にしています。
(バンドの曲はバンドメンバーの意見を取り入れるために余白を作っていることもあるのでそういう意味での例外はあります。)
なので、イヤホンで聴いてもらうときも「できれば静かなところで音の細かいところまで味わって欲しい」というのがあります。
場合によっては子供の声など邪魔になりかねません。(子供は好きなので悪しからず)
 
 
なので、その場で鳴ってる環境音まで取り込むポテンシャルのあるCDを作るなんて発想がありませんでした。
まあ少し考えれば、公園でサウンドインスタレーションをする方のCDですからそういう音楽になるのは自然であり、アンビエントはそうであるべきかもしれないですが
でもバンド音楽が土台となっている僕としては衝撃であり、yumegiwaToneの『i.m.e』などでも環境音は入れていますが、それだけで完結させようとしている自分にはまだまだできることがあるなと感じました。
他の好きなアーティストさんも曲のなかに環境音を取り入れていることは多いですが、そこまで意識しているのだろうか。
 
 
そんな感じで、新しい発見の報告でした。
 今回の津田さんのCDを聴いてこのブログ記事を書いてて
ここ4年くらいで沢山の素晴らしい音楽と出会ったことを思い出したので
ここらでちょっとロック以外を聴くようになってから出会った音楽を
その中の何枚かを紹介するようなかたちで簡単にまとめようと思います。
 
ではでは。